2013年4月20日土曜日

modo 701: スカルプティング

Modo 701では、主にマルチレゾリューションメッシュのスカルプティングに改善が行われました。まず、最初の変更は処理速度の向上です。Modo 701では、いろいろな分野で処理速度の改善が行われていますが、スカルプティングの処理速度も601と比較してもらうと飛躍的に改善されていることが体感できる思います。



また、ユーザーインターフェイスに関する改善点としてSculpt HUDを使用した3Dビュー上のユーザーインターフェイスがあります。ちなみにHUDはヘッドアップディスプレイの略で文字情報などが眼前に表示されるヘルメットやゴーグルなどから起因しています。最近だとグーグルグラスでしょうか。このSculpt HUDは、スカルプティングツールを起動すると同時に画面上に表示され、サブディビジョンレベルやマルチレゾリューションのオンオフの切り替えを画面上で行う事が可能です。パネルは半透明で表示されますので作業の邪魔にはならないと思いますが、左上のSculpt HUDボタンを押して手動で表示・非表示を切り替えることができます。


Modo 701では、マスク機能もサポートされています。通常、スカルプトしたくない場所を指定する場合は、対象となるポリゴンを非表示にしたり、ロックしてスカルプトツールが編集できないようにすることがいままでの方法ですが、マスク機能を使うと編集したくない場所をマイクロポリゴンのポイント単位でウェイトとして指定することが可能です。マスクの指定は、スカルプトツールメニューバーのMaskにあるツールを使ってペイントしたり、コマンドで操作することが可能です。Bake Falloffはマイクロポリゴンのポイントに対して指定したディスプレースメントの値もしくはマスクの値を数値で設定するコマンドです。Lassoなどのフォールオフを使用して値を設定する領域を限定することが可能です。


その他の便利なコマンドにConvert to Multiresolutionがあります。UtilitiesタブのSculpt Commandsに追加されているコマンドです。これはテクスチャベースのディスプレースメントマップをマルチレゾリューションメッシュに変更するコマンドです。テクスチャに記録されているディスプレースメントは浮動小数点形式のTIFFやOpenEXRなどの画像に保存されておりUVマップを基準にサーフェイス上にマッピングされています。Convert to Multiresolutionは、画像ファイルに保存されているディスプレースメントの情報を対応するマイクロポリゴンの位置にコピーします。変換時にはマルチレゾリューションのサブディビジョンレベルを手動で設定します。マルチレゾリューションとテクスチャとでは解像度の概念がことなりますので、完全にディーテールを復元することはできませんが、サブディビジョンレベルを大きくすることで誤差を少なくすることができます。MARIやZBrushなどの別アプリケーションで作成したテクスチャーベースのディスプレースメントをmodoのマルチレゾリューションに変換することが可能になります。

ディスプレースメントマップを適用したメッシュ

マルチレゾリューションメッシュに変換後

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