2025年9月24日水曜日

YT-Tools for Blender (Snapping)

v1.4を公開いたしました。このバージョンでは以前から要望があったツールハンドルのスナップに対応しています。Blenderのスナップ処理は外部には公開されていないので、アドオンはスナップパネルで設定されているスナップの設定項目を参照し、アドオンで独自に実装しました。YT-Toolsでは下記のようなスナップ設定項目をサポートしています。

Snap Target

Increment, Grid, Vertex, Edge, Face, Edge Center, Edge Perpendicularに対応しています。Vertexではメッシュの頂点およびカーブの制御点にスナップします。

Target Selection

Include Activeがオフの時にはアクティブオブジェクトのエレメントにはスナップしません。

Affect

Move, Rotate, Scaleに対応しています。

Rotation Increment

標準のインクリメンタル角度を参照します。


2025年9月15日月曜日

YT-Tools for Blender (Smooth Brush)

v1.3をリリースいたしました。このバージョンではSmooth Brushというオペレータを追加しています。メッシュの頂点をスカルプティングのようなブラシ操作で平滑化する機能です。LMBを押しながらメッシュ上をドラッグするとマゼンダ色の円の中にある頂点の座標位置が平滑化されていきます。ブラシのサイズはRMBで調整、平滑化の強さはSmooth Strengthで調整することができます。

また、このSmooth Brushの機能はSoft Drag使用時に使う事ができます。Shiftキーを押しながらLMBでドラッグするとソフトドラッグの代わりに頂点の平滑化を行う事ができます。

YT-ToolsはPythonで実装されているためパフォーマンスの問題は今後の課題です。

v1.3では、その他下記のような変更を行なっています。

  • SelectionSetsにReplaceボタンを追加
  • WorkplaneにSet to 3D Cursor and Rotationを追加
  • Display Infoで新しいシーンを読んだ後に選択情報が更新されないバグを修正
  • MergeとLoopSliceにもシンメトリーの初期値を追加
  • AddLoopとPolygonSlice終了後にAdjustLastOperationパネル(左下のプロパティパネル)が表示されるように修正
  • Randomize Transformが動かなくなってしまう問題を解決
Set to 3D Cursor and Rotationは、作業平面で選択エレメントから計算した位置情報と回転マトリクスをTransform Pivot PositionOrientationのCursorが参照するLocationとRotationに設定する機能です。v1.2ではカスタムOrientationに設定するSet to Transform Orientationsを追加しましたが、今回はこれを3D Cursorに追加するコマンドを用意いたしました。



2025年9月3日水曜日

YT-Tools for Blender (Radial Weight)

Radial Weightは、Linear Weightと同様にフォールオフを利用して頂点のウェイト値を設定するツールです。基本的なウェイト設定の操作性はLinear Weightと同じで、ギズモのハンドル操作はRadial Transformと同じです。



v1.2では、Linear WeightRadial Weightの遅延適用モードを改善し、インタラクティブなドラッグ操作を高速化しています。YT-Toolsの主なインタラクティブのツールは、Alt(Option)を押しながらLMBで行う操作は、Altキーを押している間は処理の適用が保留されます。画面上のメッシュには実行結果が反映されませんが、その間はハンドルの移動などを比較的思いメッシュでも軽快に行う事ができます。ウェイト設定ツールでは、ウェイトの表示はVertex Group WeightsというMesh Edit Mode OverlaysというBlenderの表示機能を使って表示しています。これはEdit Modeでのみ機能する表示なのですが、ウェイトの設定は内部的にはObjectモードで行う必要があります。つまりウェイトをドラッグしながら設定する場合は、内部的にObjectモードとEditモードを頻繁に切り替えながら行なっていますので、重たいメッシュですと速度が極端に遅くなります。v1.2では、Alt(Option)キーを押しながらドラッグしている間は、ウェイトの計算だけを行いツールが簡易的にウェイトを既存のメッシュに重ねて表示するように変更いたしました。簡易的な表示ですがウェイトの設定量を確認しながら高速にウェイトを設定する事ができます。


追記)DiscordのPixel FondueのBlenderチャンネルでDisplay Infoが原因での不具合や速度低下する事例が報告されています。現在調査中ですが、YT-Toolsを有効にした後で問題が発生がした場合はDisplay Infoを無効にして試してみてください。

2025年9月2日火曜日

YT-Tools for Blender (Soft Drag)

YT-Tools for Blenderv1.2を公開いたしました。今回のバージョンでは、2つの新機能の他、アクションセンターおよび作業平面の機能改善を行なっています。リリースの詳細はリリースノートもしくはオンラインマニュアルをご覧ください。

Soft Dragは、スクリーンスペース上の円の中にある頂点の座標値を円の中心からの減衰率をもとにスムースに移動するツールです。Modoではスクリーンフォールオフ+トランスフォームツールとして実装されていました。Modoのエレメント移動やBlenderのTweakツールがクリックしたエレメントを基準に周辺の頂点を移動するのに対して、Soft Dragはスクリーン上の円の中にある頂点が対象となります。対称を考慮しながらメッシュの膨らみを直感的に調整していくときに便利なツールです。Shift+LMBでスクリーン上をドラッグするとフォールオフのサイズを変更する事ができます。



Occlusion Testを有効にすると円の中にある頂点が他のポリゴンの後ろに隠れていないかどうかをテストし、頂点が隠れている場合は頂点座標値の移動を行いません。このオプションを有効にすると実行速度が低下しますので、必要な場合にのみ有効にして使用されることをお勧めいたします。