2025年8月9日土曜日

YT-Tools for Blender

久しぶりの投稿になります。Blenderでのモデリング作業をModoライクに行うためのアドオンYT-Toolsの販売をGumroadから開始いたしました。YT-Toolsは、Modoのワークフローの一部をBlender上で行えるようにデザインしたアドオンツールセットで、Modoライクな機能を持つモデリングツール群や作業平面、アクションセンターなどModo固有の機能を補完するツールをBlenderに追加しています。

この開発はもともと長年Modoを使ってくださっていた株式会社サブリメイション様からの依頼でカスタムアドオンツール開発(SBL ModelingTools)として始めたプロジェクトです。Modoワークフローの一部をBlender上で実現し、作業効率を高めることを目標に開発を進めてきました。このプロジェクトはフェーズ2が終わり、当初の目標としていた開発は終了いたしました。今後このツールの更新を継続していくために、今回このプロジェクトのツールをベースにした公開バージョンのアドオンをYT-Toolsとしてリリースすることを許可していただきました。手探り状態から始めたBlenderアドオンツール開発で貴重なご意見やアイディアをいただいたクリエータの皆様に心から感謝申し上げます。なお、YT-Toolsに関しましては作者が全責任を負っております。ご質問、ご要望などはフィードバックフォームから承ります。

Modoは開発が終了してしまいましたが、既存ユーザーの方々にはEOLライセンスが提供されていますので、基本的にはこれからもModoを使い続けていただくことは可能です。しかし将来のOS上での動作保証や技術サポートなどの不安から制作の現場でModoで行っていたモデリング作業を他のツールに移行もしくは併用する傾向があるようです。また制作ラインのチームに参加するModoを使ったことがない新しいクリエータの方々と使用するツールを統一する問題もありそうですね。

今回のプロジェクトではBlender上でModoでのモデリングワークフローが実現できるようなアドオンを開発し、モデリングの作業効率を向上させることを目的としました。Blenderには標準で完成されたモデリングツールセットがあり、優れた機能を持つ外部のアドオンも利用できます。しかし、いざModoで行っていたモデリングワークフローをBlenderで行おうとするといろいろとできない事があるようです。YT-Toolsはその辺りの問題点を1つ1つ解決する事を目標に開発を行いました。

下記は今回のプロジェクトで実装を試みた主なテーマです。機能の詳細はこちらのサイトをご覧ください。

  • Blenderにない選択機能の実装
  • アクションセンターを使ったワークフロー
  • 対称をサポートしたスライスツール群
  • リニア・ラディアルフォールオフを使ったトランスフォームツール
  • 作業平面を使ったワークフロー
  • 情報統計パネルを使ったエレメントの管理・選択
  • セレクションセット
このブログで実装した各機能を詳しく紹介していこうと思います。また、Modoのオープンソースのプラグイン開発も近々再開する予定です。

ダブルクリックによる接続ポリゴンもしくはエッジループの選択

クリックしたエレメントにアクションセンターをセット

対称をサポートしたポリゴンスライス

対称をサポートしたエッジスライス

絶対オフセットをサポートしたAdd Loopツール

リニアフォールオフを使用したトランスフォームツール

選択したポリゴンを作業平面に設定し、Topビューでモデリング