作業平面は、一時的にメッシュオブジェクトのトランスフォームマトリックスをメッシュ編集作業しやすいようにビューの中心と方向に沿うように設定する機能です。よく使うワークフローでは、編集したいポリゴンを選択し、そのポリゴンの中心をビューの中心、ポリゴンの法線ベクトル方向をトップビューの方向に一致させ、メッシュ編集を行う方法があります。これによりトップビューでの2次元的な編集操作が可能になるため、精密なモデリング作業を行いたい時には重宝する機能です。Modoでは作業平面は内部的なトランスフォームマトリックスとして実装されています。初期のバージョンから基本機能として備わっていて、全てのツールが作業平面をサポートしています。Blenderでも任意の作業平面を定義してモデリング作業をするための機能はあるようですが、パースペクティブビューで作業をすることが前提のアドオンが多いように思われます。
YT-Toolsでは、作業平面用にEMPTYオブジェクトを用意して、ここに作業平面のトランスフォームマトリックスを設定し、一時的にメッシュ編集したいメッシュオブジェクトをここにペアレンティングすることによって、平行投影のトップビューでモデリング作業を行う仕組みを作りました。
Edit Modeでポリゴンを1つ選択し、YT-ToolsのWorkplaneにあるSetボタンを押すと、ビューがトップビューに切り替わり、選択したポリゴンの中心がビューの中心となり、ポリゴンの法線ベクトル方向がトップビューと並行のZ軸方向に切り替わります。シーンコレクションのアウトライナーをみると"_Workplane"という名称のEMPTYオブジェクトが追加され、選択されたポリゴンを含むメッシュオブジェクトが"_Workplane"オブジェクトにペアレンティングされているのがわかると思います。この状態でTransform OrientationをGlobalにすれば、選択したポリゴンの法線ベクトル方向をZ軸にしたモデリング作業が可能になります。"Unset"ボタンを押せば、メッシュオブジェクトは元の階層に戻り、"_Workplane"オブジェクトは削除されます。
この"_Workplane"オブジェクトのトランスフォームはObjectモードでも利用することができます。Modoにはアイテムリストにアイテムリファレンスというボタンがあり、あるアイテムのアイテムリファレンスを有効にするとそのアイテムがシーンの中心に位置するようにシーン全体がトランスフォームされます。対象となるアイテムのトランスフォームが一時的にリセットされ、相対的に他のアイテムが座標変換されます。YT-Toolsの作業平面ではObjectモードでSetボタンを押すと、アクティブメッシュオブジェクトのトランスフォームがリセットされるマトリクスを"_Workplane"オブジェクトに設定し、全てのメッシュオブジェクトがこの"_Workplane"オブジェクトにペアレンティングされます。
"_Workplane"という名称はたぶん一般には使われないであろうとの前提のもとに一時オブジェクトの名称として定義した予約名称です。もし、この名称が一般的なオブジェクトに利用していて衝突する場合はリクエストフォームでご連絡ください。解決方法を検討してみます。
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