Straight Skeleton キットを公開いたしました。Straight Skeletonは、2Dポリゴンの中心線カーブを求めるアルゴリズムで、等高線の作成や3次元地形モデル、建築物の屋根のモデリングなどで利用されています。外郭を構成する線分を等速で移動させ、それらが衝突などで発生したイベントごとにトポロジーを更新していくアルゴリズムです。
前回、CDT三角形分割で利用したCGALにStraight Skeletonライブラリがありましたので、これを利用してModoのプラグインを作ってみました。CGALのStraight Skeletonライブラリは機能が豊富でしたのでこのプラグインでは、実験的に複数のモードを用意し、異なる結果が得られるようにしてみました。もっと便利な使い方はこれから研究してみたいと思います。
これはポリゴンの背骨となる中心線(Straight Skeleton)を求め、ポリゴンの外郭を構成する頂点とで作られる複数の平面にポリゴンを分割します。
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Extrudeモード
これはポリゴンの輪郭線をStraight-Skeletonの押し出し機能を利用して立体的な押し出し形状を生成します。押し出しはゴールとなる中心線の高さとなり、Maximum Heightを指定することで中間の高さまで押し出しを制限することができます。中心線の高さは固定されていますので、Scaleを使って高さを調整できるようにしました。
Duplicateモード
Duplicateはポリゴンの輪郭線をStraight-Skeletonの中心線の内側もしくは外側に向かってオフセットしたポリゴンを作成する機能です。オフセットした形状は複数のループに分割されたり、交差部分が融合する場合があります。段階的にオフセットしたポリゴンが一度に得られるように、ShiftオプションとStepsオプションを追加しています。
Offsetモード
OffsetはDuplicateと同じ方法でもとのポリゴンのオフセットループを求めていますが、新しくポリゴンを作る代わりに、元のポリゴンの各頂点の座標値を最も近い位置にあるオフセットループの頂点座標値に移動しています。これによりコーナー部分に交差のないインセットを行うことができます。Mergeオプションをオンにしておけば、同一点に収束された頂点はマージされます。この方法は元の頂点とオフセットループの頂点の距離を使ってインセットを行っていますので、オフセットループのトポロジーが極端に変更された場合などでは、インセットされたループは破綻する場合があるので注意が必要です。